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手形の二軒家 –Tegata–

Akita 09.2008

  • 秋田県秋田市
  • 構造木造 地上2階
  • 建築面積86.12 ㎡
  • 延床面積162.56 ㎡
  • 施工 加藤建設(株)
  • Photo: Hiroshi Ueda
  • A Collection 004 掲載
  • 敷地なりに建てられるボリュームには限りがあります。スキップフロアは、豊かな内部空間を生みだすための有効な手法の1つです。床面を半層ずらすことで透き間が生まれ、空間の密度が増し、視線が2方向に抜けていきます。また、踊り場が各スペースとなることで、廊下や階段室が存在しなくなり、あちこちに隠れ家的な場と、互いを垣間見る場が生まれるのです。

    「手形の二軒家」の敷地は、秋田駅周辺に位置する東南角地です。区画整理によって新たに生まれた町並みと、将来は隣家に囲まれることになる立地の条件は、むしろ都市住宅に近いといえるでしょう。 敷地面積は約45坪。この中に2世帯3家族のための住居スペースと、1台分のインナーガレージ、そして3台分の屋外カースペースを盛り込むことを条件に計画はスタートしました。

     東面、南面にそれぞれの住戸の玄関を設けていますが、各住戸は、南北に2分割された構成になっています。さらに東西方向では床面を半層ずらし、2世帯が平行に並ぶスキップフロアとなっているのがこの住まいの特徴です。同じフロアー構成でありながら、2世帯それぞれに必要なスペースを確保し、仕上げや色にも各住戸の特徴をかもしだせるよう、配慮しています。
     
    また、近くからは箱形に見える外観も、遠くから眺めると勾配屋根を持つことがわかります。隣家と近接した秋田の都市住宅の雪対策として、屋根の先端にパラペットをまわし、雪を隣地やカースペースに落とさない工夫をしています。
     
    敷地のコーナー部分には、ジャクモンティが植えられる予定です。白い幹を持つこのシンボルツリーが、住まいとしての器に四季折々の表情を映しだしてくれることでしょう。小さな器の中に広がる空間に光と風が注がれ、豊かな家族の時間が綴られることを願っています。
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